森のようちえん

自然が子どもの心と体を変えていく

大学の裏山には幼児の足で20分程度歩く散策路があります。道全体が斜めになっており大人でも歩きやすい所ではありません。でも1年を通して歩いていると季節の移り変わりがわかります。子どもたちの歩き方がわかります。ここには何年も前からの落ち葉が敷き詰められ、初冬からはクヌギやコナラの落ち葉が本当に絨毯のように重なり、ふわふわな登り坂や下り坂になります。子ども達も初めて通った時は不安な気持ちからブツブツ言いながら歩いていましたが、今では斜めの道も走っていくようになりました。この道を歩きながら次の遊びを相談するなどと、随分自然に対応できる能力を身につけてきました。心と体が森に適用してきたようです。昨年9月に桜の木の木登りをした時、初めての子どもは全く登ろうとしませんでした。登り方も知らないし、木に登る楽しさもわかりませんでした。何人かが少しずつ登り始めると、これが遊びになりいつの間にか全員が桜の木にへばりついていました。どのくらいの高さまで登れるかは自分の能力を知る機会です。自然の中で遊ぶということは、子ども達が自分の心と体を知っていくことでもあります。自然の中で遊ぶということは、自然の中にまずは入っていくことから始まります。私たちは「おいでよ!」という声かけをしています。

 

 

自然から学ぶ

東京家政学院大学の森のようちえんは1年と半分が経過し、多くのプログラムを展開してきました。今年の春からはまた新しい年中さん、年長さんが加わります。年中から小学校2年生までと、広い幅をもった森ようちえんの活動が始まります。小学生は年長さんや年中さんの面倒をみながら遊んでいくことでしょう。今年の春からは、プログラムの提示はせず、子ども達が森の中でしたいことを自由に(もちろん安全管理は徹底します)できるようにしたいと考えています。「明日、森のようちえんで何をして遊ぼうか」と前の日からワクワクする気持ちを大切にし、森のようちえんで遊ぶことを1週間、1ヶ月、1年のサイクルの中に入れていくようになってくれればと考えています。森のようちえんを通して子ども達は、自然についての多くの知識(例えば寒さ、暑さ、ドングリ駒の作れる時期、ドアリースの蔦が取れる季節、蚊や蜂に合わない対策、筍の食べられる季節等々)を身に付けていくでしょう。大人に教わるのでなく自然から学んでもらいたいと思います。大人の考えた森のようちえんでなく、泥臭く、泣いたり笑ったり時々擦り傷をつくるような、子どもの森のようちえんになればと努力しています。

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